
適応障害・うつ病での休職について
仕事をしている中で、強いストレスや気分の落ち込みが続き、「このまま働き続けて大丈夫なのか」と悩まれる方は少なくありません。今回は、当院でもでよく相談を受ける「適応障害」や「うつ病」での休職について、分かりやすく解説します。
適応障害とうつ病の違いとは?
適応障害は、特定のストレス(例:上司とのトラブル、人間関係の変化、異動など)に対して、気分の落ち込みや不安、集中困難、不眠などの症状が現れる状態です。原因となるストレスが明確であり、その状況が改善すると症状も軽快しやすい特徴があります。
うつ病は、ストレスの有無に関わらず、脳の働きに変化が起き、気分が落ち込んだ状態が長期間続く病気です。何をしても楽しいと感じられず、眠れない、食欲が落ちる、集中力が続かないなど、生活全般に支障が出ることがあります。
休職を検討するサイン
以下のような状態が続いている場合は、無理せずに休職を検討することが必要かもしれません。
- ・朝になると仕事に行くのがつらくて体が動かない
- ・ミスが増え、仕事に集中できない
- ・眠れない日が続いて体がしんどい
- ・涙が止まらなくなったり、強い不安に襲われる
- ・電車に乗ると動悸や息苦しさを感じる
こうした症状がある場合、心や体が「限界」のサインを出している可能性があります。
休職までの流れ
- ・精神科・心療内科を受診し、医師の診断を受ける
- ・診断書の発行(「〇〇のため自宅での安静加療を要する」と明記)
- ・会社に診断書を提出し、休職の手続きをする
- ・体調に合わせて休養・治療を行い、医師と相談しながら復職のタイミングを検討
休職中にできること
休職中は「休む」ことが最優先ですが、状態が少し落ち着いてきたら以下のようなことが助けになります。
- ・毎日同じ時間に起きて寝るなど生活リズムを整える
- ・散歩や軽い運動で体を動かす
- ・信頼できる人と少し話をする
- ・日記をつけて気持ちの変化を記録する
無理に焦らず、少しずつ自分のペースで過ごすことが大切です。
復職に向けての準備
体調が安定し、再び働けそうと感じたら、医師との面談や会社の産業医との面談を通じて、復職の可否を判断します。また、いきなりフルタイムに戻るのではなく、「時短勤務」や「リワークプログラム」など段階的な復職ができる場合もあります。
まとめ
適応障害やうつ病は、誰にでも起こりうる心の病気です。心や体がつらいときに無理を続けると、症状が悪化してしまうこともあります。適切な休養と治療を受けることは、将来の自分を守るための大切な一歩です。
休職に抵抗感のある方やどうしてもすぐには休職できない方など、個々に難しい判断を強いられるケースが多くあります。産業医的な目線で判断することで、より適切な休職タイミングを探ることができます。
当院では、豊富な産業医経験のもと、診断や診断書の発行、復職支援までサポートしております。お気軽にご相談ください。
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