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不眠症の薬以外の治療の選択肢 〜眠れない夜に、できることから〜
「眠れないから、すぐに睡眠薬を飲まないといけないのでは?」
外来で、患者さんからよく聞かれる言葉です。
実は、不眠症の治療は必ずしも薬から始める必要はありません。
今回は、薬を使わない不眠の治療について、できるだけわかりやすくお話しします。
そもそも「不眠症」とは?
不眠症とは、単に「眠れない」だけでなく、
- ・寝つきが悪い
- ・夜中に何度も目が覚める
- ・朝早く目が覚めてしまう
- ・眠った感じがしない
といった状態が続き、日中の生活に支障が出ている状態を指します。
大切なのは、「何時間寝たか」よりも、日中をどう過ごせているかです。
なぜ薬を使わない治療が大切なのか
睡眠薬は、つらい時に助けになる一方で、
- ・効きが弱くなっていく
- ・やめにくくなる
- ・ふらつきや記憶への影響
といった問題が起こることもあります。
そのため、海外のガイドラインや日本の指針でも、
「まずは薬を使わない治療を第一選択にする」ことが推奨されています。
一つ目:睡眠のリズムを整える
眠りは「気合」ではなく、体内時計で決まります。
- ・起きる時間を毎日ほぼ同じにする
- ・朝起きたらカーテンを開けて光を浴びる
- ・昼寝は30分以内、夕方以降は避ける
特に「起きる時間」を一定にすることが、最も重要です。
二つ目:寝床と睡眠の関係を整える
眠れない状態が続くと、
「布団=眠れない場所」と脳が覚えてしまうことがあります。
そのため、次のような工夫が有効です。
- ・眠くなってから布団に入る
- ・20〜30分眠れなければ、一度布団から出る
- ・布団の中で考えごとをしすぎない
「布団は、眠るためだけの場所」に戻していく治療です。
三つ目:考え方・とらえ方を整える
不眠が続くと、
- ・「眠れないと明日が終わる」
- ・「8時間寝ないと体に悪い」
といった考えが強くなり、それ自体が眠りを妨げてしまうことがあります。
認知行動療法では、
- ・本当にそうなのか?
- ・これまで何とかなった経験は?
といったことを見直していきます。
それでも薬が必要な場合とは?
もちろん、
- ・強い不安やうつ症状がある場合
- ・仕事や生活に大きな支障が出ている場合
には、一時的に薬を使うことも大切です。
大事なのは、
「薬だけに頼らない」「やめる道筋も一緒に考える」ことです。
最後に
不眠は、とてもつらい症状です。
でも、「気のせい」でも「甘え」でもありません。
薬を使わない方法も含め、
あなたに合った治療を一緒に探していきましょう。
眠れないことでお困りの方は、
どうぞお気軽にご相談ください。
当院に通院を希望される方は「初診の方へ」をご覧ください。



