
4月のメンタルヘルスについて
こんちにちは。藤が丘メンタルクリニック新院長の青木です。
春は出会いと別れの季節。新しい生活が始まるこの時期、知らず知らずのうちに心が疲れてしまっている方も多いのではないでしょうか。
4月は、学校や職場での進学・進級・異動・転勤など、環境の変化が多い時期です。一見明るく前向きなスタートのように思えますが、実は精神科の外来ではこの時期に心の不調を訴える方がぐっと増える傾向があります。春に起こりやすいメンタル不調と、その対策をお話しします。
環境の変化がこころに与える影響
私たちの心は、思っている以上に「環境」に影響されます。 新しいクラス、新しい職場、新しい人間関係などは、脳にとって「慣れないこと」で、脳には負担となっています。
慣れないことが続くと、脳も体も緊張状態が続きます。普段なら気にならないことが気になったり、ミスを引きずってしまったり、自分を責めやすくなることもあります。
特にまじめで責任感の強い方、他人に気をつかう方ほど「自分が頑張らないと」と無理をしてしまいがちです。そういった優しさが、逆に自分を追い込んでしまうこともあるのです。
知っておきたいこころの不調のサイン
4月に入って、もし以下のような状態が続いていたら、それはこころが「少し休みたい」とサインを送っているのかもしれません。
- 朝起きるのがつらい、気分が重い
- 食欲がない
- 仕事や学校に行こうとするとお腹がいたくなったり、気持ち悪くなる
- 好きだったことが楽しめない
- 疲れがとれず、体がだるい
- 何をしても不安で仕方ない
- 寝つきが悪い、途中で起きてしまう
こうした状態が2週間以上続く場合は、「一時的な疲れ」ではなく、うつ病の可能性もあります。早めの心療内科・精神科の受診をおすすめします。
こころのセルフケアについて
4月は「頑張りすぎている自分」に気づき、セルフケアをすることが大事です。
◎ 意識して「ひとり時間」を作る
新しい人間関係は緊張が続きやすいため、1日の中でひとりでやすらげる時間を確保しましょう。
◎ できた自分を褒める
「まだ慣れていない」ことよりも、「今日はこれができた」という小さな達成感を大事にしてみてください。
◎悩みを話せる相手を持つ
友人や家族など、誰でも結構です。誰かに気持ちを話すだけで、心は少し軽くなるものです。
最後に〜こころの調子を整えるのは「甘え」ではありません〜
環境の変化は、こころにも体にも負担がかかるものです。 どんなに前向きに見えるスタートでも、「慣れるまで時間がかかるのが普通」です。
もし、今あなたが「なんだかうまくいかないな」「いつもの自分じゃないな」と感じていたら、それはこころが助けを必要としているサインかもしれません。
精神科や心療内科は、何か大きな問題がないと行ってはいけない場所ではありません。早めに相談することは、決して「弱さ」ではなく、自分を大切にする大事な行動です。
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